地方公務員を目指す方に知ってもらいたい地方自治の3つのポイント【泉佐野市と総務省のふるさと納税問題】

公務員の仕事

こんにちは、元公務員主婦の「かじゅ」です。

今回は地方公務員を目指す方に知ってもらいたい地方自治の3つのポイントをご紹介します。

さらに、泉佐野市と総務省のふるさと納税問題から、地方自治の実態も考えてみたいと思います。

読んでもらえれば、国と地方の見え方が変わるかもしれませんよー

「地方自治」は憲法地方自治法などの法律によって定義されています。

都道府県や市町村は「地方自治体」と言うくらいなので、とっても重要なことがわかりますよね。

ポイント1、自分達のことは自分達で決めよう!【住民自治】

例えば、都心に住んでいる人が過疎地域のことを全て決めるなんてことは、

私達のこと、わかってくれているのかな?

なんて不安になりますよね。

自分達の地域のことは自分達で決めることが、もっとも課題に即した対応ができるという考えです。

ポイント2、自分たちのことは自分たちでやりましょう【団体自治・補完性の原理】

地方自治体は国から独立した存在として、自主的な運営が保障されています。

この自主的な運営の基本に、【補完性の原理】というものがあり、ざっくりと言えば、

  • 住民でてきることは住民がやる
  • 住民ができないことは市町村がやる
  • 市町村ができないことは都道府県がやる
  • 都道府県ができないことは国がやる

という考え方で、できるだけ小さい単位で問題解決をしましょうね、というものです。

ポイント3、地方と国は対等です!

地方自治法で自治体は長らく国の下部組織として扱われていました。

  • 国の事務を下部の機関(自治体)に担わせる「機関委任事務」の存在
  • 独自に課税する権限なし=財源が国に縛られる

1999年、地方自治法等「地方分権一括法」の改正により、それらが解消されました。

なかでも、次の改正は劇的な変化。

(関与の法定主義)

普通地方公共団体は、その事務の処理に関し、法律又はこれに基づく政令によらなければ、普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与を受け、又は要することとされることはない。

地方自治法第245条の2

国は好き勝手に自治体を指導することができなくなったわけです。

これまで、通達によって国は自治体に向けて一斉に指導を行い、自治体はそれに従うのみという関係でした。

その分、自治体は自由度の高い運営ができるようになったわけですが、責任が増したとも言えますね。

では、実際は?ふるさと納税問題から考える地方自治の現状

先日、高裁判決が出た、泉佐野市と国の係争を参考に、地方自治の基本的な仕組みをご紹介したいと思います。

ここに至る過程を大雑把にまとめると、

ふるさと納税訴訟の経過
  • 「ふるさと納税制度つくるよ!」

    法律上、返礼品の規制なし

  • 各自治体
    「いろんな人に納税してもらおう!」

    返礼品競争が加熱

  • 「返礼品の割合は地場産品で金額3割以内にしてね!」

    技術的助言としての通知法改正なし

  • 各自治体
    A市「交付税削られたら嫌だし、通知に従おうかな…」…大多数の自治体
    B市「通知なんて法的根拠無し!無視!!」…こちらが泉佐野市

  • 「法改正する!総務大臣が認める自治体以外は寄付控除を認めない!」

    平成31年3月可決、6月施行。

  • 泉佐野市
    「法施行日までは違法性無し!それまでもっと集金するわ」

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  • 「6月以降も、泉佐野市は対象外にするよ。過去の態度が悪いから」
  • 泉佐野市
    「法施行前の話は、法の不遡及の原則に反してる。訴える!」

    総務省の諮問機関”国地方係争処理委員会”へ訴える

  • 国地方係争処理委員会
    「国のやり方は変だよ。泉佐野市の除外は見直した方がいいよ」

  • 「見直しません!不満なら裁判所に訴えたらいいじゃない」
    「特別交付税も大幅減額するからよろしくね」

  • 泉佐野市
    「訴えてやる!高等裁判所の見解は?」

  • 高裁
    「違法性なし!泉佐野市が全面的に悪い!」

  • 泉佐野市
    「えー!納得できない、最高裁に上告する!」←イマココ

今回の係争の論点として、泉佐野市長はコメントで以下の問題を指摘しています。

  • 地方税法改正前の本市の対応を鑑みた判断は法律の不遡及の原則に反する
  • 技術的助言、という通知は地方自治法上、 法的拘束力が無い
  • 国地方係争処理委員会の審理経過の軽視

今後上告されるということなので注目です。

元自治体職員の立場で見ると、泉佐野市はやりすぎたという感想は持ちつつ、地方自治の理念が揺らいでいることは危惧しています。

一度目の通達で大多数の自治体が地方交付税の減額を恐れて自粛した状況こそが、自治体に財源・権限移譲がされていないことの表れとも見てとれます。

まとめ:地方自治は憲法等で保障されているが、実態は怪しい。最高裁判決に注目

国は税制改正で法人税をさらに国に集中をさせています。

地方自治の概念は理想的ではありつつも、実態は地方交付税や各種横並びの自治体向け補助事業(プレミアム商品券事業など)などで国に動きを縛られている面もありますね。

ただ、現場を目の前に持っている自治体でしか実現できない仕事があることも確かです。

これから公務員を志望される方には今一度、どんな仕事をしたいか、考えるキッカケにしてもらえれば幸いです

お読みいただきありがとうございました。

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