【2021年】地方公務員は本当に副業禁止か。根拠を法令・例規を調べてみた

給与・待遇

こんにちは、元公務員主婦「かじゅ」です。

今回は、

【2021年】地方公務員は本当に副業禁止か。根拠を法令・例規から調べてみた

と題しました。

一般的には公務員は副業禁止と知られていますが、

そういえば、副業ダメって根拠はなんなのかな??

と思ったので、(自分は本業主婦ですが、)公務員の副業を調べてみることにしました

公務員が副業禁止か、根拠を求めて真偽を検証!

報道や他のブログなどでは

  • 公務員の副業は法律で禁止されている!
  • 職務専念義務違反なる!
  • 副業は投資しかできない!(からの、不動産投資の広告に誘導…笑)

などと書かれる一方、

  • ばれなきゃ大丈夫だから匿名でやろう!
  • 家族名義なら問題ない!
  • ブログ広告・アフィリエイトは副業に該当しない!

といった主張をされている方もおられます。

でも、どうせ副業にチャレンジするなら、公務員としては法令遵守・白黒つけてから臨みたいところ。

お急ぎの方のために、先に結論から。

結論:法令・例規上は副業は可能。でも許可基準や内容が曖昧。国は基準を明確にするよう助言中

  • 法律では、任命権者の許可の無い副業を禁止
  • 各自治体の例規で、副業の許可基準を定めている
  • ただ、許可基準が曖昧で、事実上運用はされにくい
  • 令和元年に総務省が各自治体へ、許可基準を明確にするよう通知
  • 今後、先進自治体の兵庫県神戸市などを参考に追随が始まるかもしれません

以下、検証ですー

副業がどれだけ注目されているのか、データでみる

新型コロナウィルスによって、テレワークが推進されていますね。

また、昨今は人材不足や多様な働き方が注目を集め、副業が注目されています。

グーグルトレンドでも、「副業」は2004年から2020年に至るまで、右肩上がりで推移しています。

ここ四年間だけでも100%増で、注目されていることがわかりますね。

データソース:Googleトレンド(https://www.google.com/trends)2020年調べ

検証1:公務員の副業は法律で一律禁止ではなく、「原則」禁止!

「原則」って、つまりどういうこと?

では法律を見てみましょう。副業という表現ではなく、下のような表現でした。

(営利企業への従事等の制限)

第三十八条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。

地方公務員法 第38条

「原則」とは、

任命権者(市長とか)の許可を得た場合には可

となっているためということがわかります。

公務員の副業は法律で禁止されている!!

という表現は誤りで、正しくは、

任命権者の許可がない公務員の副業は法律で禁止されている!

こう見ると、一律ダメ!という雰囲気ではなくなりました。

検証2:どんな場合に公務員の副業が許可されるのか?

こちらも同じく地方公務員法の同じ条に記載がありました。

2 人事委員会は、人事委員会規則により前項の場合における任命権者の許可の基準を定めることができる

地方公務員法 第38条

法律では許可の基準を定めておらず、各人事委員会に委ねているわけです。

そして、人事委員会の基準を参考に、任命権者(市長等)が許可するかどうかを決めるという仕切り。

検証3:試しに人事委員会規則から公務員の副業の規程を調べる

では、法律から委任された各自治体の人事委員会規則を見てみます。

川崎市を例に調べてみますね。

調べ方:例規集から人事委員会規則を探す

川崎市の例規集から該当の規則を探します。

オレンジの矢印はかじゅが挿入

すると、一覧が出てきます。

例規分類の【第10類 第3章】を選びます。

上から5つ目がそれ

すると、「営利企業への従事等の制限に関する規則」とあります。

これが該当っぽい。

開いてみると、以下の表記がありました。

(許可の基準)

第3条 任命権者は、職員が法第38条第1項及び前条に規定する営利企業の役員その他の地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み又は報酬を得て事業若しくは事務に従事しようとする場合は、次の各号に該当する場合でなければ、法第38条第1項の規定による許可をしてはならない。

(1) その職員の占めている職と当該営利企業又は当該事業若しくは事務との間に特別の利害関係がなく、かつ、その発生のおそれがないこと

(2) その職員の職務の遂行について支障がなく、かつ、その発生のおそれがないこと

営利企業への従事等の制限に関する規則

簡単に言えば、

  • 本業の利害関係に影響が無い(≒癒着防止)
  • 仕事を進めることに影響が無い(≒職務専念義務の全う&体力的にも)

でも、実際は法律で副業「原則」禁止の理解が薄い【例:川崎市】

市の個別制度の認識については、HPで公開されていないものもあります。

そういう時、現場のリアルな認識を確認する方法として、議会の議事録を検索する方法があります。

実態を調べる方法【川崎市議会の議事録検索】

すると、「川崎市議会会議録検索システム」というものが出てきます。

ここで、「副業」と検索してみましょう。

すると、副業に関する質問・答弁が出てきますが、以下のような答弁が出てきました。

次に、市職員の副業についての御質問でございますが、地方公務員法において、報酬を得ていかなる事業もしくは事務にも従事してはならないと規定されており、本市でも報酬を得る副業原則として禁止しておりますので、現在、公益性が高い地域貢献活動等につきましても、報酬を受け取ることは禁止しているところでございます。

川崎市議会 平成30年第4回定例会12月5日3号 川崎市総務企画局長答弁

下線部の答弁は、法律に「任命権者の許可を得た場合に可能」という規定が無いように読めるので、厳密に言うと誤りですね。

市の回答には「原則」とありますが、法律の解釈でミスリードをしているため、「許可さえあれば可能」とはとても思えない答弁になってしまっています。

このように、実態としては、一般的に認知されている副業禁止の枠組みとなんら変わらない運用がされていると言えます。

検証4:制度の現状を国はどう見ているのか?

総務省は令和2年1月に全国の自治体に通知を出していますので、概要を引用します。

・具体的な許可基準を設定すべき

・社会貢献活動等の兼業を希望する職員が申請を躊躇しないよう、基準を公表すべき

・兼業状況は随時把握すべき

「営利企業への従事等に係る任命権者の許可等に関する調査(勤務条件等に関する附帯調査)」の結果等について(令和2年1月10日総行公第1号)

この通知の冒頭には、人口減少に伴う人材の希少化、が記されています。

国としては生産年齢人口の減少を見据えて、兼業を緩和したい動きがあるようです。

国の通知に合わせ、先進事例の紹介もされているので、ぜひご覧くださいね。


以上、結論は最初に書いた通りです。

兼業により視野が広がると、公務への考えも凝り固まることがないので良い効果はありそうです。

奈良県生駒市は人材育成の面も重視して兼業緩和を推進されています。

今後の各人事委員会の検討に要注目です。

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